労働組合でできること

@団体交渉
  団体交渉とは、労働条件の維持改善のために労働組合がその代表者を通じて使用者と交渉をすることです。使用者は正当な理由がない限り団体交渉を拒むことは不当労働行為(後述)として禁じられています。(労組法第7条2号)
交渉の対象となる事項は、賃金、労働時間、休日などの労働条件や労働者の利益につながるあらゆる問題を含みます。

A労働協約の締結
  労働協約とは、労使が団体交渉によって取り決めた労働条件やその他の事項を書面に作成し、両当事者が署名又は押印したものをいいます。(労組法第14条)
労働協約の締結により労使両者が締結内容に従わなければなりません。(労基法第92条、労組法第16条)

B争議行為
  争議行為とは、同盟罷業(ストライキ)、怠業(サボタージュ)、職場占拠、座り込みなど、労働条件の維持改善や経済的地位向上の主張を貫徹すること目的として行う行為で、業務の正常な運営を阻害するものをいいます。(労調法第7条)

C不当労働行為の救済申し立て
  下記の不当労働行為に対し、労働委員会に救済を申し立てることができます。

不当労働行為(禁止されている使用者の行為) 1.労働者が労働組合の組合員であることを理由に、解雇したり、その他不利益な取り扱いをすること。
 2.労働者が労働組合に加入しようとしたことを理由に、解雇したり、その他不利益な取り扱いをすること。
 3.労働者が労働組合を結成しようとしたことを理由に、解雇したり、その他不利益な取り扱いをすること。
 4.労働者が労働組合の正当な行為をしたことを理由に、解雇したり、その他不利益な取り扱いをすること。
  5.労働者が労働組合に加入しないことを雇用条件とすること。
 6.労働者が労働組合から脱退することを雇用条件とすること。
 7.使用者が雇用している労働者の代表者との団体交渉を正当な理由なく拒むこと。
 8.労働者が労働組合を結成することを支配したり、これに介入すること。
 9.労働者が労働組合を運営することを支配したり、これに介入すること。 10.使用者が労働組合の運営経費について経理上の援助をすること。
 ただし次のA、B、Cは経理上の援助とはみなされません。
 A.労働者が労働時間中に使用者と協議し交渉した場合、賃金を支給すること。
 B.厚生資金又は福利その他の基金に対する使用者の寄付。
 C.最小限の広さの事務所を組合に提供すること。
 11.労働者が労働委員会に対して不当労働行為の申し立てをしたことを理由に、解雇したり、その他不利益な取扱いをすること。
 12.労働者が不当労働行為の調査、審問や労働争議の調整の場合に証拠を提出したり、発言したことを理由に、解雇したり、その他不利益な取扱いをすること


以上の4項目が労働組合でできる代表的なものであり、労働者に対し、団結権、団体交渉権、争議権などの労働三権の行使について憲法で保障されています。